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平井一夫社長にとって勝負の１年になる。「業績回復の道筋が見えなければ、市場から退任圧力は強まるだろう」（証券アナリスト）。社外取締役が個々の事業に精通しているわけではないが、「大きな経営判断や人事でいかに的確な助言ができるかが最大の役割」（国内電機幹部）。 「かつてはゴーンさんや小林陽太郎さんなどのような直言居士もいたが、今のボード（取締役）に何を期待しているのか見えにくい」（ソニー元幹部）という声もある。 先日、新しい取締役人事が発表されたが、同じタイミングでソフトバンクが日本電産の永守重信社長を社外取締役に起用することを決めた。同社の社外取締役にはすでに柳井正ファーストリテイリング会長兼社長も入っており、孫正義社長を交えた３人は普段から意見交換する関係にある。彼らに共通するのは、群れず、常にグローバル視点で、外部からの人材登用に積極的なことだ。 米アップルはスティーブ・ジョブズ亡き後、集団指導体制を敷いた。生え抜きの幹部を重用しつつ、外部から大物経営者も積極的にスカウトし新陳代謝を図っている。４月末には英バーバリーのＣＥＯだったアンジェラ・アーレンツ氏を販売部門のトップに招聘（しょうへい）。進行中の米ビーツ・エレクトロニクスと買収交渉がまとまれば、同社の共同創業者で大物音楽プロデューサーのジミー・なた豆歯磨きのアイオヴィーン氏を上級副社長で厚遇するといわれている。 経営統合するＫＡＤＯＫＡＷＡとドワンゴ。角川歴彦会長は会見で「川上（量生ドワンゴ会長）君という若い経営者を手にした」と話した。 ある新興ＩＴ企業社長は「ソニーも川上さんや（ソニー出身の）ＬＩＮＥの森川（亮社長）さんぐらいを引っ張ってくることをしないと変革が起こせない」とみる。“チーム平井”とソニーの取締役会は、「なた豆茶成功の復讐（ふくしゅう）」から脱却するために、どんな答えを用意するのだろうか。
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